「元気のない町の高校」だと思っていました。教室に入るまでは。
人口2,500人の日野町。日野郡でただ一つの高校が、日野高校です。人口が減り続ける町で「高校も昔ほど元気がないのでは」——地元でそう感じている方は、少なくないと思います。日野探究Ⅰの講師として通う僕自身、正直どこかでそう感じていました。
ところが、実際はまるで逆でした。
日野高校は「地域みらい留学」の参加校で、いま日本中から生徒が集まっています(2026年度の県外生は20名)。双葉寮での集団生活や、地域の家庭での”ふるさとホームステイ(下宿)”で、都会から来た子と地元で育った子が、同じ町で暮らし、同じ教室で机を並べています。
面白いのは、探究の時間です。「日野郡の課題は?」と問うと、議論はいつのまにか”日野だけ”に閉じなくなる。県外から来た子の視点が混じり、「都会と何が違うか」「他の地方ではどうか」——気づけば”日本の視点”で、自分たちの町の未来を語り始めます。人口2,500人の町の高校で、です。
もう一つ。日野高校は総合学科で、2・3年次は進学・農業・ビジネス・福祉の4つの分野から選べる”オーダーメイド”の学び方をします。学力で選別して上澄みだけを送り出す——そんな「ふるいにかける」学校とは、逆の方向へ進んでいる。一人ひとりの原石を、時間をかけて磨こうとしている先生たちがいます。
選抜してふるいにかける学校と、原石を一つずつ磨く学校。これからの時代に合っているのは、どちらなんでしょうね。
広報日野6月号「日野高NEWS」にも、その一日が載っていました。この町の、ただ一つの高校の話です。
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